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TRAVEL 旅行

2024.03.22

心いっぱい胸いっぱい。魅力あふれる出雲の街を、ゆったりのんびりお散歩!

全国津々浦々のローカルスポットに注目し、その輝く魅力を紹介する本企画。今回訪れたのは、 島根県・出雲市が誇る名スポットの数々です。
歴史の風情が薫る街並みと、そこにひと匙のスパイスを添えるセンスフルなお店たち。“民藝” の本髄や出雲が誇る深い歴史など、足を運ばなければ決して知ることのできない出雲の魅力を、文学と酒をこよなく愛するライター三浦がご紹介します。こちらの記事を 読み終えた際には、出雲のことがきっと今よりもずっとずっと好きになっているはず。出雲の魅力、とくとご堪能あれ!

出雲の歴史のすべてがここに『島根県立古代出雲歴史博物館』

出雲の顔役『出雲大社』にご挨拶をしたら、まずはそこから徒歩5分の場所にある『古代出雲歴史博物館』へ。『荒神谷遺跡』から出土した銅剣358本(!)や、1か所からの出土数では全国一だという『加茂岩倉遺跡』の銅鐸39個など、ここでしか見られない国宝419点を一堂に展示する、とてつもないスケールの博物館です。
中でも特に、金色にキラキラと輝く200本以上の復元模型が目を引く銅剣の展示スペースは圧巻。わたくし三浦も、たまらず「すご……!」と声を漏らしてしまうほど(もちろん小声で)。
出雲の歴史がザザッと学べる『古代出雲歴史博物館』、ぜひとも訪れてみましょう。スケールの大きさがものすごくて、ちょっとクラクラきちゃいます。

島根県立古代出雲歴史博物館
住所:島根県出雲市大社町杵築東99-4 MAP
URL:https://www.izm.ed.jp/

“民藝” の真髄に触れてみる『出雲民藝館』

『袖師窯』も取材させていただいたし、なんとなく理解しているような、そんな気持ちでいました。それは、“民藝”という言葉。「民のための藝でしょう、知ってますよ」なんて軽々しく考えていたのですが、こちらの『出雲民藝館』を訪れてみて、初めてその理解がとてつもなく軽薄だったと気付かされました。
さまざまな『民藝品』が美しく陳列される中、特に心を打たれたのが、民藝の性質を解いた書の展示。「民衆的なもの、実用的なもの、数多く作られるもの、安価を旨とするもの」などなど。特に「健康なもの」の部分には、思わず心を鷲掴みにされてしまいました。『民藝品』を展示する、その行為が意味するところを深く噛み締めるひとときでした。「なんとなく知ってるよ」と思っているあなたにこそ、本当に心の底からオススメしたいスポットです。

出雲民藝館
住所:島根県出雲市知井宮町628 MAP
URL:https://izumomingeikan.com/

暮らしに馴染むぬくもりあふれる陶器たち『出西窯』

改めて“民藝”について学んだところで、お次は、その担い手の一角として昭和22年から続く窯元、『出西窯』へ。柳 宗悦氏や濱田庄司氏、バーナード・リーチ氏など、『民藝運動』の指揮者たちから直々に受けた指導を糧に、昭和中頃から現在まで、数え切れないほどの陶芸賞を受賞してきた人気窯です。その民藝品らしいシンプルながらも滋味深く、あたたかな魅力を携えるうつわたちは、眺めているだけで思わずニンマリしてしまうこと請け合い。
また今回は特別にその製作現場も撮影することができ、とても貴重な写真を撮ることができきました。中でも“登り窯”と呼ばれる巨大な薪窯は、まさしく圧巻。一般的な窯元ではガス窯や電気窯が主流となっている現在でも、年に3,4回ほどの窯焚きをおこなうのだとか。
昔ながらの製法を真摯に守り続け、こだわりのうつわを生み出している『出西窯』、間違いなく一見の価値ありです。ちなみに、元日と火曜日以外は工房内の見学も可能なのだとか。陶芸や民藝に興味がある方はマストです。

出西窯
住所:島根県出雲市斐川町出西3368 MAP
URL:https://www.shussai.jp/

“センスフル” ってこういうこと。出雲随一の複合ショップ『B.S.K.K』

「ストリートやアート、アウトドアやアクティビティを視点に、そこにある環境で最良のギアの選び方、遊び方を模索し提案していく」をテーマに、アパレルをはじめとしたさまざまなアイテムを揃える『B.S.K.K』。
その洋館チックなルックスから、かつて地元の子どもたちにお化け屋敷と恐れられた広い古民家をリノベーション。そんな唯一無二のスペースに、お昼には絶品ランチやスイーツを提供するカフェ機能、夜にはとびきり美味なピザが味わえるレストラン機能を付け加えて展開する、まさに複合型のショップです。
出雲と東京の2拠点生活を送るモデルの春日潤也さんもその一角を担う、とびきりセンスフルなメンバーが生み出す「衣・食・住」の大いなる構成力には、素直に脱帽。ここではとても書ききれない彼らの魅力を深堀りした特集記事も別途掲載しますので、ぜひとも合わせてご一読ください。間違いなく「いいなぁ……」と感じるはず。その自信があります。いやー、本当にすごかった。

B.S.K.K
住所:島根県出雲市大社町杵築東463-1 MAP
URL:https://bskk.jp/

昼間から、ちょっとお先にいただきます『3rd Barrel Brewery』

登録有形文化財にも指定される蔵や邸宅など、出雲地方特有の伝統的な建築様式の町家が数多く現存する観光スポット、『木綿街道』。そんな風情あふれる歴史街道に、ひと際モダンな看板を掲げる1軒のお店があります。名前は『3rd Barrel Brewery』。日本酒と醤油の醸造所が軒を連ねる『木綿街道』における“3つめの醸造所”としてそのネーミングを掲げる、ブルワリー併設のクラフトビールショップです。
こちらでは隣接するブルワリーで醸造された缶/瓶ビールが購入できるだけでなく、カウンター裏のタップから注がれる生ビールも販売中。出雲の水で仕込んだ個性豊かなクラフトビールを、その場でいただくことができちゃいます。
というわけで、取材のために否応なく、あくまで取材のために否応なく、酒好き三浦がいざ試飲。〈Yummy〉と名付けられたウィートエールビールは、なめらかでトロピカルで爽やかで……とにかくとびきりヤミーな1杯でした! あくまで取材ではありますが、空が明るいうちに飲むビールは格別です。

3rd Barrel Brewery
住所:島根県出雲市平田町片原町812 MAP
URL:https://3rdbarrelbrewery.com/

歴史を紡ぐ一棟貸しの古“酒蔵”宿『RITA 出雲平田 酒持田蔵』

出雲旅の最後に訪れたのは、『RITA 出雲平田 酒持田蔵』。老舗造り酒屋『酒持田本店』が持つ登録有形文化財の土蔵をリノベーションし、一棟貸しの宿として新たな命を吹き込んだ、古民家宿ならぬ、古“酒蔵”宿です。
昭和初期に建てられたという土蔵は、どこか隠れ家のような雰囲気。ライター・三浦は、いつかきっとここで原稿を書いてみたいなぁ、なんて思ったり。相当集中できるだろうなぁと感じました。ただただのんびり本を読んだり、『酒持田』の奥さまが生ける素敵なお花に息を呑んだり、ここでしか味わえない日本酒風呂を堪能したり。そんな豊かさを感じながら、憩いのひとときを過ごすことができそうです。

RITA 出雲平田 酒持田蔵
住所:島根県出雲市平田町810 MAP
URL:https://rita-izumo-hirata.jp/

目も心も大満足な、出雲のつれづれ旅!

いかがでしたか? 歴史のエッセンスを感じさせながらも、決して古臭くなく、不思議な魅力漂う出雲市。そして、出雲が誇る名スポットの数々。正直、もっともっと長く滞在していたいと思わせられるほどの充実ぶりでした。

目も心も大満足の出雲旅、筆者・三浦は間違いなくプライベートでも再度訪れるであろうことを、ここに宣言しておきます。

ぜひとも読者のみなさんも、出雲の街が織りなす唯一無二のムードや魅力的なお店たちを、思う存分味わいに行ってみてください。もしも現地で出会えた時には、一緒に『B.S.K.K』のクラフトビールで乾杯しましょう!(ちょっと無理がある……?)


Credit
Photo_Shuhei Nomachi
Text_Nozomu Miura
Edit_Satoshi Yamamoto


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