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TRAVEL 旅行

2024.03.18

島根の中⼼で歴史と⽂化に触れる。松江市に根付く「⾐・⾷・住」をたっぷり紹介!

全国津々浦々のローカルスポットに注⽬し、その輝く魅⼒を紹介する本企画。今回は、島根県・松江市が誇る数々の名物ポイントをザザッと網羅。
その名をきっと⽿にしたことがある⽅も少なくない“あの城”や、しっかりと選びぬかれた書籍に雑貨、⽣活⽤品を揃えるハイセンスな本屋さん、1932年創業の超⽼舗洋⾷店などなど。松江の地に並ぶ多彩なスポットを、⽂学と⽂化を愛するライター三浦がご紹介します!

松江に来たらまずはここから!島根が誇る国宝『松江城』

出雲国松江藩初代藩主・堀尾忠晴により、1611年(慶⻑16年)に建⽴された『松江城』。松江市の名所を巡るなら、ここは絶対に外せません。というわけで本企画のトップ画像にも採⽤。第⼆次世界⼤戦の戦⽕にも屈することなく、2015年(平成27年)には国宝にも設定された、まさに国の宝と呼ぶべき名城です。
近世城郭最盛期を代表する天守として、かの有名な『彦根城』や『姫路城』と並ぶ荘厳な雰囲気と歴史情緒は必⾒。⼊場料680円(⼤⼈)を納めれば、『通し柱』や『狭間』、『武者窓』など、お城ファン垂涎の歴史的なディテールを実際に⾒ることが可能です。

松江城
住所:島根県松江市殿町1-5 MAP
URL:https://www.matsue-castle.jp/

レトロな⾯影と豊かな味わいに酔いしれる『⻲⽥⼭喫茶室』

『松江城』が醸す厳格なムードを楽しんだ後は、⽢いスイーツをいただきながら、その記憶をぼんやり思い返すように過ごしてみるのが良さそう。城⼭公園の『興雲閣』の中にある喫茶店『⻲⽥⼭喫茶室』は、季節ごとのフルーツやナッツを使ったタルト、ほど良い⽢さがクセになるショートケーキが⾃慢のお店。どんな季節にも、⼼躍るようなメニューに出会えるはずです。
お店が漂わせる静謐な雰囲気と、おいしいケーキやコーヒーを、⼼ゆくまで楽しんで。店員の⽅々もとっても優しくて、ついつい⻑居してしまいそうになるほどの居⼼地を味わえました。
ちなみに前述の『興雲閣』は、明治36年に完成した県の指定有形⽂化財。明治天皇の⾏在所として作られたという、華麗な建築美もお⾒逃しなく。

⻲⽥⼭喫茶室
住所:島根県松江市殿町1-59 興雲閣内 MAP
URL:https://www.facebook.com/kamedayama/?locale=ja_JP

そうだ、本を買いに⾏こう!『artos Book Store』

旅というものは、ついつい⾷べてばかりになってしまいがち。そりゃそうです。だって、おいしい⾷べ物がたくさんあるんだもの。仕⽅ない、仕⽅ない(と⾔い聞かせる)。だけどここでひとつ、わたくし本好き三浦からのご提案。“旅先で本を買いに⾏く”なんていうのは、どうでしょう。お腹と⼼を満たしたところで、娯楽としての本に触れてみる。そんな街歩きも、きっと楽しいはず。
というわけで僕らが⽬指したのは、松江市の本屋さん『artos Book Store』。しっかりとキュレーションされた世界各国の本に、アパレルや⽣活雑貨、そして家具までが並ぶ店内は、もはや本屋というよりセレクトショップ。
『⾐・⾷・住をテーマに、⽇々の暮らしの中にささやかな楽しみを感じられるような様々な本と共に、雑貨や⾷品なども⼀緒にご紹介しています』と、語ってくれたのは店主さん。
その⾔葉通り、⽣活のあらゆる場所に彩りを与えてくれるような、そんな逸品が揃っていました。ここ、かなりオススメです。

artos Book Store
住所:島根県松江市南⽥町7-21 MAP
URL:https://artosbookstore.com/

松江のソウルフードを⽣み出した創業90年超の『レストラン⻄洋軒』

ゆらりゆらりと堀川遊覧船が巡る松江城のお堀沿いに居を構える、レンガ造りのレトロな⾵情がたまらない洋⾷店『レストラン⻄洋軒』。創業1932年という、市内でも⼤⼈気の超⽼舗です。
お邪魔したのは平⽇にもかかわらず、開店直後にすぐ満席に。そんなお客さんの多くが⼝を揃えて注⽂していたのが、松江市⺠のソウルフードとも呼ばれる『カツライス』。特製デミグラスソースをかけた島根県産豚ロースカツを、少し柔らかめに炊いた⽩⽶に乗せたひと⽫は、さわやかな酸味が⼼地よい特製ソースと、軽やかな⼝当たりながらもしっかりと旨味が感じられるロースカツとのハーモニーが絶品。たまらず「うまっっ!!」と、お店のムードにふさわしくないほどの⼤きな声を出してしまいました……(笑)。
話によるとこの『カツライス』、松江市内で多く提供されるメニューではありますが、その発祥の地こそ、ここ『⻄洋軒』なのだとか。そのほか、常連さん⼈気が⾼いというオムライスやプリンなども漏れなく絶品なので、ぜひ。

レストラン⻄洋軒
住所:島根県松江市⽚原町111 MAP
URL:https://www.instagram.com/seiyouken_matsue/

お気に⼊りの“ひと⽫”を求めて、創業140年の『袖師窯』へ

松江市幸町にある焼き物窯『袖師窯』は、開窯から140年もの歴史を誇る⽼舗窯。釉薬の原料となるワラやモミなどの灰から⻑⽯、さらには粘⼟の素となる⼟まで。可能な限り市内のものを、可能な限り⾃社でまかない製陶するという、伝統的なうつわづくりをひたむきに続ける名窯です。
普段の⽇常に⼩気味良い⾊を加えてくれるような、朴訥としながらもかわいらしい焼き物たちを⾒て取りたい⽅々は、⼯房に併設されたギャラリー兼ショップまで。
また別企画で代表・尾野友彦さんへのインタビューをおこなったので、ぜひそちらもチェックしてみてくださいね。

袖師窯
住所:島根県松江市幸町803-13 MAP
URL:https://www.facebook.com/sodeshigama

地域密着のお⾁屋さんで絶品コロッケを。『ミートショップきたがき』

松江の魅⼒は、“⾷べ歩き”にもある。そう⾔い切ってしまいましょう。しじみで有名な宍道湖の近くにある1978年創業の精⾁店『ミートショップきたがき』は、取り扱う精⾁だけでなく、その場で⾷べれる〈⼿造りビーフコロッケ〉が⼤⼈気の町のお⾁屋さん。スーパーや量販店が増えていく昨今でも、お客さまの要望にしっかりと寄り添い、その⼈気を保ち続ける名店です。
そんな⼈気のビーフコロッケをガブり。『しまね和⽜』のひき⾁をたっぷり使⽤し、お⾁のうまみがガツンと効きつつも、⽢みの強いジャガイモのトロッとした⼝当たりがなんとも優しい逸品です。ちなみに店主の北垣さんは、お店(1978年創業)と同い年なのだとか。同店の歴史を語るその表情には、どこか特別な想いが含まれているのか、グッと噛み締めながらも、とっても嬉しそうに語ってくれました。

ミートショップきたがき
住所:島根県松江市⻄茶町71 MAP
URL:https://www.kitagaki.net/

裏⾯に宿る緊張感を感じてほしい⽊⼯作家『藤原将史⼯房』

最後に訪れたのは、松江市⼤庭町で⽊⼯家具⼯房を営む藤原将史さんのアトリエ。
無垢の⽊を材料に、凛としたムードとあたたかみを兼備する家具や⾷器、カトラリーなどを作っている⽊⼯作家さんです。「スーツを着るのは性に合わんと思ったんでね(笑)」とうそぶきつつ、ニヤリと笑いながら穏やかに話してくれました。
「特にこだわっているのは、表だけでなく、裏もしっかりと綺麗に仕上げることですかね。⾒えないところをどう綺麗に収めるか、といった点が、⾮常に重要なんです。緊張感が宿るんですよ、裏にもしっかりとこだわると」。

パッと⽬に⾒える表⾯だけでなく、裏⾯にもしっかりと意匠を表現すること。そんな細部まで⼿を抜かない⼈柄からなのか、ゆらりゆらりと話してくださる藤原さんの優しい⾔葉の中にも、どこか“緊張感”のようなものが感じられました。
またこちらのアトリエは、事前に連絡して予約をすれば、現地に⾜を運んで直接購⼊することも可能だそう。他県にも取扱店舗があるとのことなので、遠⽅の⽅はそちらもチェックしてみてください。

藤原将史⼯房
住所:島根県松江市⼤庭町987-3 MAP
URL:https://masashi-fujiwara.com/

「⾐・⾷・住」のすべてを、たっぷり堪能できる松江旅!

いかがでしたでしょうか。お腹も⼼もギュッと満たされた松江の旅。それぞれのお店に深い歴史の礎があり、それぞれの⽅々がしっかりとその重みを噛み締めながら、真摯な暮らしを続けているような、そんな印象を受けました。⾐、⾷、住、すべてを⼼ゆくまで堪能できる⼟地だなぁと、その余韻をじっくりと確かめながら、松江を後にしました。
これを読んで少しでも気になった読者のみなさんは、ぜひ⼀度松江市に⾜を運んでみてください。きっと、歴史が裏付ける街の美しさに⼼を奪われてしまうはずです。


Credit
Photo_Shuhei Nomachi
Text_Nozomu Miura
Edit_Satoshi Yamamoto


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