2024.06.25
旅の癒しに欠かせない温泉とサウナに焦点を当てた連載企画、サウナっ風呂の旅。今回は同企画お馴染みの水風呂ちゃんが大推薦する気仙沼の民宿『唐桑御殿つなかん』をレポートします。今施設では温泉はなく、サウナのみですが、漁港ならではの景色や贅を尽くした海鮮料理、そしてあたたかい女将に癒され尽くしました!
水風呂ちゃん
株式会サ水風呂代表
サウナ施設のプロデュース他、自身主催のポップアップショップ『Key to S』を全国で展開するなど、サウナにまつわるアレコレを手掛けるプロサウナー。日常のすべてがサウナの前戯。
Instagram:mizuburochan
目次
ここは宮城県気仙沼市の唐桑町鮪立(しびたち)。辺りには、漁業で栄えた漁師たちの立派な邸宅、通称、唐桑御殿が立ち並び、そのひとつに民宿『唐桑御殿つなかん』があります。到着した水風呂ちゃんを満面の笑みで「おかえり〜」と出迎えてくれたのは、名物女将の菅野一代さん。まるで故郷に帰ってきたようなあたたかなお出迎えに思わずほっこり。ここでのサウナ体験は、気仙沼ならではの特別な癒しのひとときです。
宿泊部屋はベッドタイプの洋室と、畳に布団の和室タイプの2種類。日本家屋らしい懐かしさが漂う空間に、水風呂ちゃんも「実家よりも実家の感じ」と、ゆっくりくつろげること請け負い。居間でお茶やお菓子をいただきながら一代さんとの談笑タイムも、この旅館ならではのあたたかな過ごし方。玄関には、Tシャツやタオルなどのつなかんサウナグッズの販売もあり、旅の思い出にぴったりです。
建物の裏手には、立命館大学の学生さんらが制作した東北ツリーハウス観光協会『100のツリーハウス』のひとつ、『つなまる』や、地域の守り神である八幡神社が。高台から見える鮪立漁港の海景色が一望できる絶好のビューポイントです。このロケーションも、気仙沼ならではの魅力が詰まっています。
夕食の前に、まずは1回目のサウナへ。というのも『唐桑御殿つなかん』には2つのサウナがあり、こちらは倉庫を改築した『つなかんサウナ』。旅館から徒歩7分ほどの鮪立漁港沿いに立地し、宮城県気仙沼の海を眺めながらのサウナ体験が楽しめます。宿泊者限定1棟貸切制となっており、広々とした空間でサウナを思う存分に堪能できます。室内には薪ストーブを採用し、好みの温度に合わせて火加減の調整やセルフロウリュが可能。早速、水風呂ちゃんもストーブに薪を焚べ、セルフロウリュを楽しみました。1セット目から早くも玉のような汗が流れ、程なくしてザブっと一気に水風呂へ。首の後ろまでしっかり冷やすのがポイントだそうです。
たっぷりと水風呂で体を冷やしたら、外に設置されているチェアベッドで外気浴を。目の前に広がるのは、海、山、漁港といった、鮪立ならではの美しい景色。気仙沼での贅沢な外気浴タイムは、心身ともにリフレッシュできる最高のひとときです。「おそらく漁港が見えるサウナって日本初だと思います。今まで漁港になかったのが不思議なくらい、サウナとものすごくマッチしていますよね」と、水風呂ちゃんもロケーションを大絶賛。また彼女の最近マイブームが、サウナ・水風呂・外気浴・釣りというセットだとか。「魚がいるような海辺にサウナがあるのは本当に稀なんですよ」と、海風を感じながらのととのいタイムを堪能後、そのまま釣りを開始。ただ今回は残念ながらボウズという結果に終わり、次回にリベンジを誓う!
釣り道具は『つなかん』でレンタルをしており、釣った魚も宿で捌いてくれるそうなので、興味のある方は一代さんにご相談を。水風呂ちゃんが愛用するサウナハットやタオルなど、特製サウナグッズもお見逃しなく!気仙沼のこの地で、忘れられない宿泊体験が待っています。
ととのい後には、お待ちかねの夕食タイム。用意されたのは、唐桑半島の海辺という立地を活かした、その日に水あげされた新鮮な海の幸の数々。気仙沼ならではの贅沢な味わいを堪能できる、マグロの刺身、マグロの尾の身、殻ツブ貝、カキフライ、ほっけの焼き魚、ホヤの酢の物など豪華料理が揃う。なお品物は季節で変わり、旬のものを使った8〜9品ほどを予定しています。ちなみに生牡蠣は普段は提供していないそうですが、今日だけは特別に。
なかでも牡蠣の焼き飯は必食。新鮮な牡蠣に出汁と味噌を加え、鉄板の上で白米と混ぜ混ぜ。旨みが凝縮された焼き飯は、お酒のアテにもなる抜群の美味しさ。「もう無限に食べれそう!」と水風呂ちゃん。自分で作る工程も楽しめるのが、この料理の魅力です。気仙沼の唐桑御殿つなかんで味わうこの一品は、まさに海鮮料理の極みと言えます。
豪華な食事と一代さんとの会話を大いに楽しんだ後は、本日2回目のサウナへ。今回は旅館の駐車スペースに設置された『サウナトースター』を利用します。「この『サウナトースター』は、全国でサウナがブームになる前からここにある、東北サウナのパイオニアみたいな存在なんです」と、ナイトサウナを楽しむ水風呂ちゃん。明かりが少ないため、昼の模様は次の写真で。セルフロウリュで温度を調整し、汗をたっぷりとかいたら、そろそろ頃合い。浴槽に溜めた水風呂にインしてクールダウンします。
外気浴は、外に設置されているチェアベッドで。鮪立ならではの静寂さと、街灯のない真っ暗な世界で、夜のととのいタイムを満喫。見上げると、そこは満天の星空。気仙沼の夜空に広がる星々は、都会では味わえない癒しの時間です。「心地よすぎて、人が本来持つ穏やかさが取り戻せそうな場所です」と、都会では味わえない癒しの時間を堪能しながら、心身ともにリフレッシュ。しっかりと3セットをこなし、最後に旅館のお風呂に入って、ぐっすりと就寝。気仙沼の唐桑御殿つなかんで過ごす贅沢な夜は、忘れられない思い出となります。
翌朝の撮影は、朝ごはんから。白米に焼き魚にお味噌といった、和食の王道がやっぱりいちばん。焼き鮭、マクロの煮付け、切り干し大根、たけのこ、自家製味噌を使ったワカメと布海苔の味噌汁など、海の幸と旬の地元野菜をたっぷり使った健康的なメニュー。気仙沼の新鮮な食材をふんだんに使ったこの朝食は、日本の朝ごはんの良さを再確認させてくれます。
豊富なおかずにご飯が足りず、水風呂ちゃんも朝からおかわりし、2杯目は卵がけご飯でいただく! 最近では、インバウンドの旅行客も増えて、卵がけご飯がいちばん喜ばれるとか。お腹いっぱいまで食べて、朝から幸せいっぱいです。気仙沼の唐桑御殿つなかんで迎える朝は、最高の一日の始まりです。
ご飯を食べて少しリラックスし、ついにお別れの時間に。一代さんと記念写真を撮影しながら、再会を約束。車が見えなくなるまで大漁旗を振り続ける一代さんのお見送りに感謝感動です。これにて1泊2日の気仙沼「唐桑御殿つなかん」での宿泊体験が終了。最後に、水風呂ちゃんからのコメントを。「生きていると、疲れるときもありますよね。そんなときはぜひこちらへ!私が日本でいちばん休まる場所です。気持ちのいいサウナはもちろん、地域ならではの美味しいご飯、そしてなによりあたたかい女将の一代さん。身体だけでなく、心まで休まる、私の第2の実家です(笑)。来たらきっと全てがリセットされますよ。気仙沼の唐桑御殿つなかんで、日本でここにしかない漁港が見えるサウナで癒されながら、あたたかい一代さんとの交流までを楽しんでください」。気仙沼の唐桑御殿つなかんでの宿泊は、心身ともにリセットできる特別な体験です。
唐桑御殿つなかん
住所:宮城県気仙沼市唐桑町鮪立81 MAP
URL:http://moriyasuisan.com
Credit
Photo_Shuhei Nomachi
Text_Takuya Kurosawa
Edit_Satoshi Yamamoto
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