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2024.04.09

出雲に生まれた“3つめ(3rd)” の醸造品。クラフトビールブランド『3rdBarrelBrewery』に注目!

ローカルの魅力を語るにおいて欠かせない地酒。その言葉はどこか日本酒を想起させるような気もしますが、OMUSUbeeが特に注目するのは、地酒は地酒でも地元生まれの⻨の酒、つまりクラフトビール。今や全国各地に800以上ものブルワリーが存在するという、ビッグなローカルコンテンツのひとつです。そんなまだ見ぬローカルビール を求めて今回訪れたのは、島根県は出雲の地に生まれた気鋭のクラフトビールブランド『3rdBarrelBrewery』。さてさて、どんな魅力が詰まっているのか。

出雲における、日本酒や醤油に次ぐ新たな醸造品

歴史的に、醤油や日本酒の醸造が盛んに行われていた島根県出雲地方。そんな伝統ある出雲の地で、醤油と日本酒に次ぐ“3つめの醸造品”として2022年にリリースされたクラフトビールブランド、『3rdBarrelBrewery』。今回はその新たな生産拠点として、出雲大社近くの複合ショップ『B.S.K.K』内に新設されたブルワリー、『cheerzfactry』へ潜入。同地で新たにクラフトビール醸造家の道を歩み始めた大原さんのお話とともに、その魅力を探ってきました。

人を育てる学校教員から、酵母を育てるビール醸造家へ

ここは『B.S.K.K』内の一角に新設されたブルワリー。まだ導入されたばかりで本格稼働はしていないそうですが、島根のクラフトビール業界に新たな風を吹かさんと準備を進める、ビール党注目の醸造所です。
そんな『3rdBarrelBrewery』の新たな一手として動き始めるブルワリー『cheerzfactry』の新米醸造家として、その第一歩を踏み出したのがこちらの大原さん。2023年4月に出雲へ移住してきた彼は、なんと元々は学校教員として、関東で10年ほど教鞭をとっていたそう。そのまさかすぎるキャリアについて、また、自身が抱く熱いこだわりと信念について、目を輝かせながら語ってくれました。

「教員を辞めたのは、全然ネガティブな理由ではないんですよ。昔からクラフトビールが大好きで、たまたま彼女と一緒に行ったフェスで『3rdBarrelBrewery』のビールに出会い、それを手がけている『B.S.K.K』の方々ともお話させていただいてからというもの、すっかり虜になっちゃったんですよね。めちゃくちゃカッコいいじゃん、って。オレも好きなことに本気でブツかりたい、って。そんな自分の衝動に対して、彼女も親も、みんながしっかり応援してくれたんです」。

出会いは一瞬、想いは一生。偶然の出会いから言葉を交わし、酒を酌み交わしただけで、その熱量に当てられ大きく揺れ動かされてしまう。人生にはきっと、そんな奇跡のような瞬間があるのでしょう。
『3rdBarrelBrewery』の温度感もそうですが、きっとそこには、大原さん自身の感受性や、物事にしっかりと向き合える胆力による作用があったはず。そんな彼が、ブレのないまっすぐな目線で続けます。

「自分はまだまだ醸造家としては駆け出しですし、ここのブルワリーと同じく、まだ本格的なスタートも切れていません。わからないこともたくさんあります。だけど、とにかくみなさんの胸を借りる思いで、たくさん失敗しながら、たくさん学んでいきたいと思っています。
例えばそれは、隅々まで掃除を怠らないことであったり、とにかく誰よりも勉強を続けることであったり。今の自分でもできることを常に心がけながら、後悔のないような仕事を続けていきたいですね。僕が教員として勉強を教えてきた小学生や中学生、高校生のみんなに、”この仕事も楽しいぞ!”って、いつか胸を張って言えるように。
そしていずれ彼らが大人になった時には、自分が醸造家として完成させた『cheerzfactry』のビールで乾杯したい。それが僕の大きな目標であり、醸造家としての夢のひとつです」。

熱い話の後には冷たいビールを。大原さんおすすめの1杯で乾杯!

大原さんの熱い話に、すっかり酔いしれてしまった取材陣。ここで改めて、彼のおすすめビールを聞いてみることに。

「もちろん『3rdBarrelBrewery』のビールはすべておいしいですが、特に僕が好きなのが〈カブキオドリ〉ですね。ドライペールエールと呼ばれる種類のビールなのですが、とにかく食事に合うんですよ。
現在のクラフトビールシーンには、ホップをバシッと効かせたパワフルなものが多いですが、『3rdBarrelBrewery』では、どんな食生活にもマッチするようなビールが多数用意されていて。だからなんていうか、飲み疲れがないんですよね。個人的には、それこそが『3rdBarrelBrewery』が誇る最大の魅力だと思っています。特に〈カブキオドリ〉には、どこかまた戻ってきたくなるような、安心する感覚を覚えるんです。いつどんなシーンで飲んでもおいしいビール。そんな特徴の1杯ですね」。

大原さんと新設醸造所のこれからの挑戦に乞うご期待!

ズラッと並んだ『3rdBarrelBrewery』のビールたち。その個性豊かな味やコンセプトもさることながら、SAND NAOKI氏や小川洋平氏など、メンバーと親交の深いアーティストたちが手掛けるパッケージアートにも注目です。

「今ここにあるビールは、基本は『3rdbarrelbrewery』の醸造所でつくられているものですが、今後はここ『B.S.K.K』の醸造所『cheerzfactry』からも新たなビールの開発を進めていく予定なので、そこも楽しみにしていただけたらうれしいですね。
瓶の中で自然発泡させるシャンパンのような製法のクラフトビールや、“オフグリッドビール”と呼ばれる自然エネルギーだけでつくるビールなど、少々実験的なクラフトビールのリリースも考えています。
僕自身、ひとりの『3rdBarrelBrewery』ファンとして飛び込んだキャリアですが、これからはお客さまに楽しんでいただき、新たにファンになってもらえるような、そんな取り組みを積極的におこなっていこうと考えています」と、大原さん。

旅は道連れ、世は情け。“旅では道連れのあることが心強く、同じように世を渡るには互いに情けをかけることが大切である”という意味のことわざを、大原さんの熱い言葉や『3rdBarrelBrewery』の存在そのものから、改めて思い出させられました。
良い旅には、良い“道連れ”としてのうまいクラフトビールが必要である、と。

読者のみなさまが出雲を訪れる際は、旅の気分にぴったりなクラフトビールを、ぜひとも『 3rdBarrelBrewery』のラインナップから見つけてみてください。多彩で魅力たっぷりのクラフトビールたちが、きっとあなたを待っているはず。


B.S.K.K『cheerzfactry』
住所:島根県出雲市大社町杵築東463-1 MAP
URL:https://bskk.jp/


Credit
Photo_Shuhei Nomachi
Text_Nozomu Miura
Edit_Satoshi Yamamoto


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