2026.02.24
酒は、料理と並んだときに、はじめて輪郭がはっきりしてくるもの。この冬、ザ グラン リゾート エレガンテ白浜で始まったのは、料理人が料理に合わせて酒を組み立てる、ペアリングの取り組み。一皿ずつ進むなかで、酒の印象も少しずつ変わっていく。そんな酒の時間が用意されています。

ザ グラン リゾート エレガンテ白浜
料理長・中野 立男
岡山出身の料理人。約30年、日本料理を作り続けてきた和のスペシャリスト。同ホテルで料理長を7年担当しており、地域の味を活かしたい料理を提供している。
目次

今回のフェアを監修したのは、ザ グラン リゾート エレガンテ白浜の料理長・中野立男。酒を先に決めるのではなく、あくまで料理を起点に考えています。
前菜、魚、肉と続く流れの中で、どんな酒が自然に寄り添うかを組み立てていきました。料理の味を強くするのか、余韻を広げるのか、それとも次の一皿へ切り替えるのか。
酒は、食事全体の流れを支える存在として選ばれています。一杯で印象が変わる、その面白さを、楽しく体験できる構成です。


前菜の伊勢海老サラダ仕立てには、高垣酒造「喜楽里 大吟醸」。香りは穏やかで、口当たりはなめらか。料理の邪魔をせず、食事のはじまりを気持ちよく整えてくれる一本です。
chef’s comment
「伊勢海老のサラダは、けっこうさっぱりしているので、お酒は大吟醸にしました。大吟醸は、何にでも合うイメージがありますけど、実はお酒自体の旨みやコクがしっかりあるんです。
だから、あっさりした料理と合わせることで、料理の味を引き立てながら、お酒そのものも楽しんでもらえると思います」


主に地域の鮮魚であしらったお造りには、高垣酒造「紀勢鶴 純米酒」をセレクト。旨みはありながら、後味はすっと軽い。近海魚の味わいと重なり、自然にまとまる感覚があります。
chef’s comment
「お刺身を食べるときには、お酒が前に出すぎないように気をつけました。その点、この純米酒は、ちょっと辛口ながらも、さっぱりとしたキレがあって、いい塩梅です。
単体でも飲みやすいですが、あくまでお造りをよりおいしく食べてもらうための一本、というイメージで選んでいます」


脂の口溶けがよい熊野牛のステーキには、紀州熊野蒸溜所のウイスキー仕込み梅酒を。甘さ控えめで、コクはしっかり。肉の余韻を受け止めながら、口の中を自然に切り替えてくれます。
chef’s comment
「肉料理には、ウイスキー仕込みの梅酒をソーダ割りで。梅酒自体が、味の濃い料理に合うお酒ですが、今回はお肉に脂がのっているので、ロックよりもソーダ割りにしました。
濃いままですと、どうしてもしつこくなってしまうので。口の中をさっぱりさせながら、ウイスキーの香りも楽しめて、お肉を最後まで気持ちよく食べてもらえると思います」
今回のペアリングは、一杯ずつの相性だけでなく、食事全体の飲み心地を考えて組み立てています。重さや余韻が残りすぎないように調整し、最後まで無理なく楽しめる流れを大切にしました。

今回のフェアでは、酒器もペアリングの一部として、青森県の伝統工芸品〈津軽びいどろの盃コレクション〉や〈津軽びいどろ にほんの色ふうけい タンブラー〉などを取り入れています。器の形や厚みによって、同じ酒でも感じ方が少しずつ変わります。
飲むだけで終わらず、選び、手に取り、感じる。その過程も含めて、酒の時間が広がっていきます。酒器はHESTA LIFE storeでも販売中です。

今回のペアリングは、お酒を意識しすぎなくても、食事の流れの中で自然と楽しめる構成です。料理を食べて、少し会話をして、気づいたら次の一杯が心地よく進んでいる。そんなリズムが、全体を通して続いていきます。
お酒を「合わせよう」と無理に考えなくても大丈夫。料理と一緒に楽しんでいるうちに自然と印象が残る。
そんな距離感を大切にしていたフェアとなっています。興味のある方は、ぜひ一度体験してみてください。
〈構成〉
料理:コース + 日本酒3種ペアリング
〈酒選定〉
【日本酒×前菜】高垣酒造 喜楽里 大吟醸(720ml)
【日本酒×魚】高垣酒造 紀勢鶴 純米酒(720ml)
【梅酒×肉】紀州熊野蒸留所 ウイスキー仕込み梅酒(ロックorソーダ)
〈お猪口・グラス選定〉
【ヴィラ・コンコルディアセレクト】津軽びいどろ 盃(4色)
【ヴィラ・コンコルディアセレクト】津軽びいどろ タンブラー(7色)

ザ グラン リゾート エレガンテ白浜
住所:和歌山県西牟婁郡白浜町1813-8 MAP
URL:https://okura-club-hotels.com/shirahama
Credit
Photo_Taijun Hiramoto
Text & Edit_Takuya Kurosawa
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