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2025.12.26

【前編】〈淡路島の恵アイス〉創業4代に渡り挑戦を続ける超老舗。淡路島『井上商店』を訪ねて

西の離島・淡路島にて、明治34年から4代に渡り続く『井上商店』。少数精鋭の地元企業でありながら、時代の移り変わりとともに幾つものヒット商品を生み出してきた、製麺業を軸とするローカル食品メーカーです。そんな淡路が誇る老舗に、HESTA LIFEメディアスタッフが訪問。案内役は、営業から商品開発まで手掛ける島田さん。ECでも取り扱わせていただいている〈淡路島の恵アイス〉と〈わかめ麺〉を軸に、その地に足ついたものづくりを紐解きます。

島田拓也さん/井上商店 営業課

同社勤務歴は約20年。工場での現場製造業務から始まり、現職で約14〜15年。飲食店向けの提案を中心に、営業から商品開発、試作・試食、対外発信まで。内部業務のほぼ全般を担当する、『井上商店』の屋台骨。


初見は素通り注意。南あわじの隠れ人気スポット『井上商店』へ

淡路島の中南部、南あわじ市に拠点を構える『井上商店』。初見ではうっかり素通りしてしまいそうな控えめな佇まいですが、その唯一無二の商品を求めて、多くの人々が足を運ぶ隠れスポットです。

ひっそり佇む店内に、淡路のお宝食品がざくざく

工場のすぐ横には、2022年開店の直売所も運営中。「ここでは商品買えないの?」という多くの声をきっかけにオープンしたというから、その注目度が伺えます。中でも人気なのが、HESTA LIFE storeでも販売中の下記2点。

淡路島の恵アイスセット(2種6個入り) ¥4,310

淡路島の恵アイスセット(2種6個入り) ¥4,310

淡路島民のソウルフードである、『淡路島の牛乳』と『淡路島ののむヨーグルト』をたっぷり使用。濃厚なのに後味スッキリな〈ミルクアイス〉と、甘酸っぱさが際立つ〈ヨーグルトアイス〉。お食事とのマッチングに合わせて、異なる絶品2品をお楽しみあれ。

わかめ麺ギフトセット ¥4,800

わかめ麺ギフトセット ¥4,800

淡路島の沿岸・鳴門海峡で水揚げされたわかめを、独自開発したペースト製法で麺に練り込んだ『井上商店』の看板商品。つるつるモチモチの新食感に、ほんのりと磯が香る味わいは、一度食べれば病みつき確実。同社が3代かけて作り上げたという自信作です。

そんな魅力あふれる商品が並ぶ店内を物色する女子スタッフ。気になる商品を手に取っては、「これ家で食べたい」「こっちもいいね」と作戦会議。中でもHESTA LIFE storeでは取り扱いのない乾麺仕様の〈わかめ麺〉は、お土産にも最適と興味津々のご様子でした。

冷凍の歴史が生んだ、淡路島のごほうび〈淡路島の恵アイス〉

店内をひと通り見させてもらったところで、本日の案内役である営業課の島田さんにお話を伺うことに。まずは、『井上商店』の歴史と概要について。

夏場の工夫が原点。アイスから冷凍麺へつながる歴史

「創業は明治34年。西暦で言うと1901年だから、もうすぐ125年目ですね。元々はうどん屋から始まり、さまざまな業種に着手していく中で、麺類の卸売もしていたそうです。それから2代目の時に、夏場はうどんが売れないからという理由でアイスキャンデーの製造を開始。同じく冷凍という技法の中で、当時としては画期的な冷凍即席ラーメンを開発し、これが爆発的に売れたんです。

だけどその後、いわゆる現在の乾麺タイプのインスタントラーメンが世の中に出てきてから、うちの冷凍麺は失速してしまう。
ですが、当時どこよりも早く冷凍麺に着手したという実績は、いまの『井上商店』の姿に少なからず影響していると思います」。

飲食店のご当地デザートを目指して

そんな『井上商店』の冷凍の歴史を受け継いだ人気商品の一角〈淡路島の恵アイス〉について、島田さんはこう説明します。

「実はこれは、基本的に業務用がメインの商品なんです。飲食店のデザート向けに、淡路島のご当地グルメとして提案できるように開発しました。味は、ミルクとヨーグルトの2種類。地元の牛乳と地元ののむヨーグルトを、どちらも最低50%以上使っています」。

出せる範囲で、確実に。販路を絞るという選択

スタートは8〜9年ほど前。前述のとおり取り扱いは飲食店が中心で、一般ユーザー向けのカップ入り商品は、淡路島の一部観光地と、HESTA LIFE storeを始めとした極限られたECサイトでしか買えないそう。

「広く市販を増やさないのは、もし問題が出たときの回収のリスクが大きいから。毎ロット検査をしていますが、もしアウトなら全量廃棄しなければいけない。だから、万が一のときにも自分たちで回収に回れるエリアでしか、店舗販売は行っていないんです」。

〈淡路島の恵アイス/ミルク〉

「食べてもらうのが一番早いんですけど、ミルクの味をあえて言葉にするなら、”あっさりかつ濃厚、でもさっぱり“といった感じですね」と島田さん。

最初はおだやかに感じつつ、溶け始めた途端に牛乳感がぐっと前に出て、食べ終わりはすっと軽い。そのバランスの良さからどんな飲食店でも安定感の高い味とのことですが、特にお寿司屋さんでは、こちらのミルクがよく出ているそう。

〈淡路島の恵アイス/ヨーグルト〉

「ヨーグルトの方は、焼き肉とか焼き鳥とか、肉料理のあとが特に強いですね。ミルクに比べてやわらかな食感で、繊細な口溶けも特徴です」。
さっぱりした甘酸っぱさが軸で、レモンやブルーベリーなど、フルーツ系ソースのちょい足しもオススメだとか。

島田さんからミルクとヨーグルト、それぞれの特徴を聞いたところで、女子2人の実食タイム。直売所の外のベンチに腰かけ、2人でカップを開けて食べ比べていきます。

ひと口ずつ交代しながら、「確かにミルクは濃厚だけどすっきりしてる」「ヨーグルトは甘酸っぱさがいいね」と感想を共有。味の違いをしっかり確認していきました。

続きは後編へ↓


▼記事後編

【後編】〈わかめ麺〉『井上商店』を訪ねて。125年の歴史の先へ、尖ったものづくりへの挑戦はまだまだ続く>>>

西の離島・淡路島にて、明治34年から4代に渡り続く『井上商店』。125年も続く老舗でありながら、常に新しい勝負球の開発に挑み続ける皆さんの想いに迫ります。続きを読む>>>


井上商店
住所:兵庫県南あわじ市広田広田577-1 MAP
URL:https://mikke-awajishima.com/

Credit
Photo_Taijun Hiramoto
Edit & Text_Satoshi Yamamoto,Ryo Sato

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