地方と都市を結ぶため、全国津々浦々のローカルスポットにクローズアップする本企画。今回は、雄大な富士山を間近に感じることができる山梨県は富士河口湖町にある、人気洋菓子店『ラ・ヴェルデュール木村屋』をご紹介します。地元素材や旬のフルーツを使った極上スイーツや贅沢な素材を組み合わせた新作ケーキなど、心躍るスイーツの魅力に迫ります♪

100種以上の手作りケーキを創作する河口湖の名店

『ラ・ヴェルデュール木村屋』の歴史の始まりは、1960年。初代が『銀座木村屋總本店』からの暖簾分けとして、パン屋『木村屋吉田店』を開店。その後、1987年に今の代表取締役兼オーナーパティシエの2代目・小佐野直人さんがケーキ屋『ラ・ヴェルデュール木村屋』としてリニューアルオープンさせました。
現在は、河口湖駅から車で約15分に位置するショッピングセンター『フォレストモール富士河口湖』に店舗を構えており、地元の人はもちろん、観光客からも人気を集めています。

お店へ入り、すぐに目を奪われるのは、ショーケースに並んだ色彩豊かなケーキやスイーツ。中には、＜キムラヤ弁当＞という名の、ユニークな商品も！　

「いつもあるわけではないのですが、味と品質に遜色がないケーキの切れ端などを組み合わせて入れた、当店オリジナルのスイーツ弁当です。入っているものは、買って食べてみてのお楽しみです」と、話してくれたのは、木村屋の3代目・小佐野 雄大さん。

雄大さんは、『ラ・ヴェルデュール木村屋』の広報・営業、ジェラートやアイスの開発などを担当。「4年前に地元へ戻ってきた時、2代目である父にも相談をして、自分の強みを活かせるポジションで店に貢献したいと考えました。籠るよりも、外に出て人と話すのが好きな性格なので（笑）。製造は、オーナーパティシエを務める2代目を筆頭に、経験豊かなパティシエとスタッフが協力して行っています」。

― 富士山の天然水など、使う材料の特徴やこだわりを教えてください。

「スイーツ作りに美味しい水はとても大切です。富士山の天然水はもちろん、ここ河口湖町は空気も良いので、野菜やフルーツも美味しく育ちます。食材は、環境によって作るものも変わりますし、味に違いも生まれると思います。
当店では、主に地元の食材や厳選した国産小麦粉を使用し、添加物を使用しない安心・安全のスイーツをお客様に提供できるよう心がけています。また見た目にもこだわって、意見交換をしながら創意工夫を続けています。そのため、これまでに100種以上のケーキを作りました」。

旅の思い出に食べたいスイーツ5選

熟練の技と豊富なアイデアを持つオーナーパティシエが作るスイーツの数々。その中から、旅の思い出にぴったりの逸品、人気No.1のプリン、旬の苺を使ったケーキをピックアップしてご紹介！

●富士山ケーキ　
インパクト大の写真映えするケーキ。外側は、スイーツ専用の着色料で鮮やかな青を表現＆バタークリームを使い、白い部分にはホワイトチョコレートを。内側は、チョコマーブルのスポンジベースで仕上げたオリジナル商品。富士山に登る記念や山頂で食べるために購入する人も少なくないのだとか。

●ふじさんプリン
『ラ・ヴェルデュール木村屋』の人気No.1。地元産の卵＜特選富士＞や、地元でしか採れない貴重な蜂蜜を使用した深い味わいのプリン。白い部分はなめらか、黄色い部分はプルプルの食感。キャラメルと合わせて味の変化が楽しめる絶品スイーツ。

●贅沢ショートケーキ
チョコスポンジをサンドしたショートケーキは、クリームの中にパインとピーチを忍ばせたリッチな仕立て。使用する苺などのフルーツは、地産のものにこだわりながらも季節や旬に合わせてセレクトしているそう。

●フレーズショコラーデン
見た目が華やかなロールタイプのケーキ。しっとりとした生地と程よい甘さのクリーム、酸味と甘さを持つ苺が三位一体に。中央部分にくるりと生地が巻いてあることで、バランス良く素材の味が楽しめるひと品です。

●ミルフィーユ
苺の酸味とカスタードクリームの濃厚な甘さが絶妙なハーモニーを生む、見た目も味も100点満点のケーキ。特徴でもあるサクサクのパイ生地とクリーム、スポンジ生地が重なり合う、美味しさと繊細さが表現されたケーキです。

記念日に食べたいオーダーメイドケーキと新作ケーキ

取材当日、2代目のオーナーシェフが手がけていたのは、オーダーメイドのケーキ。誕生日や大切な記念日のデコーレーションケーキの注文も多く受けるそう。

「難しいオーダーをいただいても、無理！とは言わずに、お客様のご要望に応えられるよう、チャレンジ精神と真心を込めてケーキを作り上げます」と、話してくれたのは、愛嬌たっぷりの2代目の奥様。その言葉のとおり、あらゆるリクエストに応え、作ってきたオーダーメイドのケーキは多種多様。オーナーパティシエの経験と技が光ります。
今回の取材スタッフが滞在した、『ザ グラン リゾート プリンセス河口湖』の宿泊客からも注文を受けているそうなので、大切な人へのサプライズや記念日のケーキを用意したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

お客様の笑顔のために、“本当に美味しい手作りのスイーツ”を作り続ける『ラ・ヴェルデュール木村屋』は、新商品の開発にも妥協しません。この日、試食をさせていただいたのは、発売前の貴重なチーズケーキ。

「使用する卵は、山梨県内で自然飼養されたアローカナという鶏が産む青い卵です。特徴は、殻がうっすらと青色、黄身はレモンのような鮮やかな黄色をしていて、箸で摘めるほどしっかりとしたハリと弾力があります。また、牛乳やクリームチーズ、蜂蜜といった素材も、時間と手間をかけて丁寧に作られている生産者さんから仕入れさせていただきました」と、教えてくれたのはオーナーパティシエ。

そんな希少価値の高い素材を組み合わせたチーズケーキは、クリームチーズの酸味を感じるなめらかな食感と深いコクが同時に堪能できる二層構造。生地や焼き時間の違いで絶妙なバランスの二層に仕立てているという。厳選した素材を使って丁寧に作られるチーズケーキは、ホールで1万円超えと贅沢なお値段！　ですが、専用の化粧箱に入れて、オンラインでも購入できる仕様を予定しているそうなので、特別な日のケーキの候補にしてみてはいかがでしょう？

季節の素材で作るジェラートとアイスキャンディ

『ラ・ヴェルデュール木村屋』が注目を集める理由は、ケーキだけではありません。季節の素材で作る絶品ジェラートやポップな見た目のアイスキャンディなど、冷たいスイーツも人気です。

「特製ジェラートは、定番の味に加えて、旬の素材を使ったフレーバーを提供しています。店頭では約12種類のフレーバーを、コーンまたはカップでご購入いただけます。フレッシュなフルーツはもちろん、日本酒や味噌といった発酵食材を使ったもの、また、焼きとうもろこしといった季節野菜を使ったものも展開しているので、1年を通して色んな味を楽しんでいただきたいです」と、雄大さん。

作り立てのジェラートは店頭でしか味わうことができませんが、カップ入りジェラートはオンラインでも購入することが可能。見た目も味も食べるのが楽しみになるアイスキャンディも合わせてお取り寄せできるので、特製アイスの味を確かめたい方にはおすすめです。中でも、富士吉田ブランド認定の苺＜富士夏媛＞を使った＜ふじなつきアイスキャンディ＞は一味の価値あり。

地元産をはじめとする素材と手作りにこだわる洋菓子店。自然豊かな山梨県・河口湖の旅に、美味しさと甘さをプラスしたい時に訪れたい場所です。

Credit
Photo_Yuki Araoka
Text_Sayaka Miyano
Edit_Satoshi Yamamoto

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