2023.10.04
着実にかつての活気を取り戻すつつある福島県。ですが中には避難指示区域に指定されたまま、何年も時を止めていた地域もあります。そんな止まったままだった時計の針が、2022年8月、11年ぶりに動き始めた双葉町に潜入。中でも、これから始まる復興劇の中心となる今春オープンの複合施設、『フタバスーパーゼロミル』をレポートします。
目次
ここは福島県双葉町。東日本大震災による原発事故の影響で、2022年8月末まで帰還困難区域に指定されていた、かつての避難指示エリアです。
そんなまさにこれから復興への登り坂を駆け上がろうとしている双葉町に、2023年4月、どこよりも早く設立された民間運営の大規模施設『フタバスーパーゼロミル』。
岐阜県に拠点を置く撚糸会社『浅野撚糸』の新工場として、同社が手掛けるブランドタオルのショップとして、そして地域社会のハブとなるカフェとして。明日の町づくりの中心地となる、双葉町のニュースポットです。
撚糸と聞いても、いまいちどんな作業なのかピンとこない。そんな方のために『フタバスーパーゼロミル』では、工場の様子が見れる見学コースを用意。さらに予約をすれば、案内付きで撚糸工場内部まで見て回れるとか。というわけで、我々も案内付きのコースで見学。しかもこの日は特別に、スタッフの子安さんに加え、同社社長の浅野さんまで同行してくれました!
左上_建物内の見学順路に従って進むと、まず始めに目に飛び込んでくるのが、壁一面に描かれた『浅野撚糸』の年表。浅野社長のお父様である先代が創業した1958年から現在に至るまで、同社が辿ってきた栄枯盛衰の歴史が包み隠さず描かれています。
右上_予約なしの見学コースでは、ガラス越しに撚糸工場を見ることが可能。
左下_予約ありの工場見学の最大の見せ場が、こちらの撚糸機。ここで生み出される糸こそ、『浅野撚糸』が特許を取得する『SUPER ZERO®』。綿糸と水溶性の糸で撚糸した後に水溶性の糸だけを溶かすことで、空気をたっぷりと含むことを可能とした、本施設のネーミングにも採用される魔法の糸です。
右下_子安さんが案内してくれたこの大型機械は、スチームセッターと呼ばれる仕上げの機械。平たく言えば、スチームアイロン。撚糸後の糸に真空状態で熱と蒸気を与えることで、撚りで発生した縮れを解消。世界でもここだけにしかない特別な1台だそう。
そして撚糸工場の全景がこちら。20台の撚糸機と6台の合糸機が整然と並ぶ景色は、まさに壮観。日本屈指の生産力と『SUPER ZERO®』の優れた機能性で、国内はもとより、世界に名だたる有名ファッションブランドからも高い注目を浴びている、『浅野撚糸』が誇る最新鋭の施設です。
当然、全台が稼動した際の動作音は相当のものですが、浅野社長は訪れる人に撚糸工場のリアルを楽しんでもらいたいという想いから、あえて壁に防音加工を施さなかったそう。その迫力は、是非ご自身の五感で確かめてください。
正面玄関の左側には、前述の『SUPER ZERO®』で織り上げられたオリジナルのメガヒットタオル、『エアーかおる』シリーズなどの自社商品がずらりと並ぶショップエリアが。
空気をたっぷりと含んだ『エアーかおる』は、なんとその吸水性、一般的なタオルの約1.5倍! 速乾性、通気性、耐久性など、その他の機能性も本当に抜群なので、まだ使ったことがないという方は一度試す価値あり。OMUSUbee storeでも取り扱っているので、現地に行けないという方はこちらからどうぞ。
双葉町とのコラボレーション企画、『ダキシメテフタバ』にもご注目ください。
ショップエリアの対面サイドは、20卓以上の座席を備えるカフェ『キーズカフェ 福島双葉店』。広々としたスペースは、観光客や一般客の小休止の場としてはもちろん、少しずつ増え始めている双葉町民の方々、そしてこれから確実に増えていく新たな移住者の方々の交流の場として、きっと大いに賑わうはず。
福島県産の桃を使用したドリンクやデザート、同じく福島県産のシラスを使用したしらすたっぷりパスタなど、同店限定のご当地メニューも数多く販売しています。
ショップエリアの2階には、大手量販店からの戻り品やシーズンアウトした旧カラーバリエーションモデルなどを取り扱う、アウトレットショップもあり。だからもちろん、品質には問題なし。それがなんと、最大50%オフで販売中!
『エアーかおる』は使ってみたいけど、お値段的にちょっと悩む。そんな方にはまさに最適のショップです。またここ限定のお得なセット商品なども用意されているので、お土産などにもいいのでは。
コスパ最高の掘り出しモノを探してみましょう。
フタバスーパーゼロミル
住所:福島県双葉郡双葉町中野舘ノ内1-1 MAP
URL:https://asanen.co.jp/dakishimetefutaba/#super_zero
Credit
Photo_Taijun Hiramoto
Edit & Text_Satoshi Yamamoto
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