2025.07.18
数々の有名温泉が湧く兵庫県の中でも、日本海側エリア随一の湯処、城崎温泉。外湯めぐり発祥の地としても知られる、日本を代表する人気温泉地です。
その城崎温泉を訪れるなら、拠点に選びたいのが『ザ グラン リゾート城崎』。ただの外湯めぐり拠点では終わらない、絶品の美食とほっこりとしたくつろぎが味わえる特別なお宿です。今回はそんな『ザ グラン リゾート城崎』に、 HESTA LIFEスタッフの看板女子2人が訪問。その魅力をたっぷり体験してきました。
目次
こちらが今回の舞台、『ザ グラン リゾート城崎』。多くの湯客が闊歩する温泉街の中心からちょっと離れた山陰海岸国立公園の中にひっそりと佇むこのホテルは、まさに城崎の秘密基地のような存在。外湯めぐりを楽しむ拠点としてはもちろん、日本海の絶品海産物を初めとした地の味を味わったり、豊かな自然の中でぼーっとまったり過ごしたり。滞在そのものがとっておきの思い出になること請け合いのお宿です。
エントランスをくぐったら、まずはお世話になるスタッフさんと挨拶を交わしてチェックイン。優しい笑顔に旅の疲れも癒やされます。荷物を置いたら、間髪入れずにレンタルサービスの浴衣に衣装チェンジ。日本一浴衣が似合う街・城崎への想いを高めつつ、ロビー併設のカフェスペースで情報収集に勤しみます。と、ここで送迎バスが到着。意気揚々と城崎温泉駅前へ出発!
温泉街のぶらり散歩はこちらの別企画でお楽しみいただくとして、ここでは外湯めぐり発祥の地とも呼ばれる城崎温泉に点在する、6つの外湯をチェック。それぞれに由緒や言い伝え、ご利益があるそうなので、その点も含めてザクッとご紹介します。
城崎温泉を代表する外湯『一の湯』。江戸時代中期に開湯し、温泉医学の名医・香川修徳が著した『一本堂薬選』の中で天下一と讃えられたことから、現在の名前が付けられました。洞窟風呂が名物で、幻想的な雰囲気の中でじっくり温まれば、旅の疲れもふわっとほぐれるはず。合格祈願、交通安全、開運招福などのご利益があるとされ、学生や旅行者に人気を集めています。
717年、温泉寺の開祖・道智上人が八曼荼羅経というお経を唱え続けて湧き出したと伝わる由緒ある外湯。お堂を思わせる外観からもその名残が感じられる、霊験あらたかな湯処です。ご利益は、商売繁盛と五穀豊穣。「一生一願の湯」としても知られているので、人生の節目や大切な勝負事の前に利用すると幸運を呼び込めるかも? こじんまりとした隠れ風呂的な情緒をお楽しみあれ。
後堀河天皇の御姫君が湯治に訪れたことに由来する『御所の湯』、通称「美人の湯」 。良縁成就や火伏防災のご利益があるとされ、年間約40万人が訪れるという人気の外湯です。2020年には大規模リニューアルを行い、全面露天風呂に。館内には但馬の山々をイメージした植栽が施され、春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬は雪景色と、四季折々の自然美を味わいながらの入浴が可能です。
中国の西湖から移植した柳の木の根本から湧出したと言われる、子授安産・子授けの湯、『柳湯』。城崎温泉の外湯の中では最も小さい湯処ながら、大谿川沿いの柳通りに佇む風情あふれる木造建築の外観は、SNS映えも抜群。ほっこりこじんまりと外湯を楽しみたい方にはおすすめです。またお風呂は深く、「あつ湯」と言われるほど熱めの湯音なので、お子さま連れはご注意ください。
かつてその湧出口から地蔵尊が現れたという伝承に由来する『地蔵湯』。広めの内湯と家族風呂のみというシンプルな構成ながら、江戸時代から現在まで、多くの地域住民に親しまれ続ける、まさに地元のソウルスパ。また城崎温泉の外湯の中では唯一の子ども風呂もあるので、お子さま連れにもおすすめです。ご利益は、家内安全・水子供養で、衆生救いの湯としても知られています。
約1400年前、コウノトリが傷を癒やしていた場所に源泉が発見されたという言い伝えから命名された「鴻の湯」。城崎温泉の中でも最も歴史が古いとされ、不老長寿、夫婦円満をご利益とする、「幸せを招く湯」とも称される外湯です。岩造りの庭園露天風呂では、自然を感じながら湯浴みを楽しめること請け合い。温泉街の主要エリアとは少し離れた落ち着いた立地も人気です。
ひとしきり城崎温泉街を満喫したあとは、一旦お部屋に戻って小休止。障子越しに入るやわらかな光、心落ち着くクラシックな和の空間に、しっとりとした風情のある浴衣姿がよく映えます。窓の外には、国立公園ならではの豊かな緑が広がり、その奥に円山川が静かに流れる伸びやかな景色。せわしない日常をすっかり忘れて、まったりとお茶をすすりながら、お楽しみの夕食タイムまで心ほどけるひとときを堪能します。
お部屋でまったりチルタイムを過ごしたあとは、お待ちかねのお夕食。特にここ『ザ グラン リゾート城崎』は、日本海の海の幸をふんだんに使った豪華なメニューが絶品と大評判。女子2人もウキウキです。
しかもこの日ご用意いただいたのは、選べるコースの中でも最上位となる〈極み御膳〉。鱧清汁仕立て、日本海幸盛り合わせ、但馬牛鉄板焼、喉黒の煮付け、白烏賊天ぷら、そして紅カニ寿司と、まさに贅沢の“極み”とも言える極上のラインナップは、お品書きの文字を読んだだけで垂涎必至。
もちろん実際の盛り付けの美しさや彩りも素晴らしく、テーブルに並んだ姿はまさに壮観。撮影チームからも、思わず「わぁ…!」と声がこぼれます。女子2人も、まるで自分たちだけが特別なご褒美をもらったような気分で申し訳なく思ったとか思わなかったとか。まさに目でも舌でも感動できる、ごちそう時間を心から堪能していました。
※メニューは時期や仕入れで変動あり。
旬の豪華食材をじっくり味わいながら、ふと気になるのは、どんな想いでこの料理が作られているのかということ。そんな疑問に応えてくれたのが、この道40年以上という料理長の久保田さん。大阪のお寿司屋さんでの下積みから始まり、さまざまな日本料理店で経験を重ねてきたという、まさに職人肌の大ベテラン料理人です。
「とにかく大事なのは、食材そのもの。食材をしっかり見極めることが、すべての始まりだと思っています」と久保田さん。魚は日本海で水揚げされた新鮮なものを厳選し、但馬牛も地元ならではのA5ランクを使用。「山菜は自分で山に入って採ってくることもあるし、野菜も信頼できる農家さんから直接仕入れています」と話すように、自分の目で選び抜いた素材しか使わないという徹底ぶりです。
さらに「余計な添加物は使わず、素材本来の旨みを引き出すことを大切にしています」とも。「召し上がっていただければ、きっと違いを感じていただけるはずです」とにっこり笑うその表情からは、職人としての誇りと自信が滲み出ていました。
そんな久保田さんのこだわり料理と同時に楽しみたいのが、日本酒のペアリング。ここ『ザ グラン リゾート城崎』は、各種日本酒の豊富なラインナップも魅力です。せっかくなのでおすすめを聞いてみました。
「城崎にお越しいただいたので、地元の酒蔵『香住鶴』さんのお酒はいかがでしょう。今年で300周年を迎えられた酒蔵さんで、カス風シリーズや辛口のキモト造りのお酒、しっかりした味わいの純米原酒など、好みに合わせてお選びいただけますよ」と話してくれたのは、スタッフYさん。
「辛口が良いんですけど……」とお願いすると、だったらこれをとご提案いただいたのが、山廃仕込みの純米原酒〈但州〉。しっかりとしたコクとキレが特徴で、力強さの中にスッとした後味があり、料理との相性も抜群です。
「グラスでもボトルでもご注文いただけますし、気に入ったお酒はお土産用にボトルでもお持ち帰りできますよ」と、Yさん。ロビーには、そんな地元の日本酒がずらりと並ぶショーケースもあり。お食事中にじっくり味わえて、帰りにはお土産にもできるなんて、お酒好きにとってはまさに至れり尽くせり。
そんなふうにひと口ひと口ときめきながら、お料理も日本酒も存分に楽しめる。気づけば時間を忘れて夢中になってしまうような、特別な夕食時間を過ごしました。
食事と日本酒で大満足したあとは、やっぱりもうひと盛り上がりしたい! ということで、腹ごなしのカラオケタイムでシメ。しかも今回は、スナックのママさんさながらにホテルスタッフさんが同席してくれるという特別演出つき(特別ですよ!)。最初はちょっと恥ずかしがっていた2人も、気づけばマイクを握ってご機嫌に。スタッフさんもさりげなく手拍子をしてくれたり笑顔で盛り上げてくれたりと、まるで優しいサポーターのよう。ゆるっと楽しい空気感の中で、夜はゆっくりと更けていきます。
そして翌朝。2人を待っていたのは、しっかり眠ったあとの体に優しく染みわたる朝のごちそう。焼き魚やマグロの山かけなどが並ぶ、純和風な朝食セットです。特筆すべきは、城崎ならではのひと椀、カニ汁。朝からカニがいただけるなんて贅沢に、寝ぼけ眼もすっ飛びます。調子に乗って、朝限定の単品料理〈カニ身入り出汁巻き〉も追加オーダー。ふわふわの玉子にカニの旨味が加わった、幸せを体現するかのよう逸品です。
しっかり食べてパワーをチャージすれば、準備OK。城崎の余韻を抱えたまま、帰りの長旅へと出発します。
そんなこんなで、『ザ グラン リゾート城崎』の宿泊記もこれにて終了。外湯巡りを楽しむ拠点としてはもちろん、豊かな自然に囲まれた静かな立地と、日本海の幸を中心とした極上の料理、地元の日本酒。そしてなにより、スタッフさんたちの温かいおもてなし。決してただ泊まるだけではない、ここだけの魅力を存分に堪能して、ホクホク顔で帰路へと向かう撮影チームでした。
最後に、お世話になったホテルスタッフの方々の記念撮影ショットを。湯治顔負けの癒やしに満ちたホスピタリティを次に体験するのは、あなたかもしれません。
THE GRAN RESORT 城崎
住所:兵庫県豊岡市小島1188-3 MAP
URL:https://okura-club-hotels.com/kinosaki/
Credit
Photo_Ryo Sato
Text & Edit_Satoshi Yamamoto
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