2025.05.23
地方で輝くモノ・ヒト・コトにスポットを当てた連載企画『地域創生ローカルヒーローズ』。今回のターゲットは、東大阪市は荒本にて、神戸ビーフに特化した焼肉店『炭火焼肉牧場 サカエ屋』も運営する老舗の精肉卸売企業『サカエ屋サンミート』さん。と聞くと、職人気質な方々を想像するかもしれませんが、迎えてくれたのはピースサイン全開の3人組。お肉のプロであることは間違いないのに、その佇まいはまるで、愉快で陽気な親戚のよう。そんな人情味あふれる御三方に、お肉のことやお店のこと、料理のことなど、いろいろ伺ってきました。
目次
昔ながらの下町情緒が残る町、東大阪市荒本。その細かく入り組んだ路地の先に、赤と青のネオンサインを掲げながら、どどん!と 佇む焼肉店。ここが今回の目的地、『炭火焼肉牧場 サカエ屋』さんです。
前述のとおり運営しているのは、精肉卸企業である『サカエ屋サンミート』。商人の町と言われる大阪で、50年弱にわたりお肉と向き合う老舗のお肉屋さんです。そんなお肉へのこだわりがぎっしり詰まったこの場所で、いったいどんなドラマが繰り広げられているのか。さっそく、潜入開始です。
はじめにお話を聞いたのは、『サカエ屋サンミート』の代表取締役・矢田さん。老舗精肉卸企業を束ねる立場として、その歴史やこだわりについて語っていただきました。
「弊社は元々、1978年に創業した町のお肉屋さんが始まりでした。そこからレストランやゴルフ場にお肉を納入するようになり、少しずつ精肉卸問屋として成長していき、ありがたいことに今年で47年目になります。卸問屋としての特徴でいうと、牛・豚・鳥にジビエ肉まで、あらゆる種類のお肉を取り扱う中で、小規模経営だからこその小回りを武器に、多種多様なお客さまのニーズに個別でお応えできることだと思います」。
そんな精肉のスペシャリストの実力を一般層に向けて発信するのが、こちらの店舗『炭火焼肉牧場 サカエ屋』。オープンは1991年。決して立地に恵まれているとは言えない場所ですが、34年にわたり愛され続ける名店です。
「お店では、希少な雌の神戸ビーフを1頭買いして提供しています。神戸ビーフって、目方制限だったり肉質等級だったり、とにかく基準が厳格で、その厳しさは世界一と言われています。だからこそ、味の平均値がとても高い。ブレが少ないんです。他のブランド牛と比べても、世界的にも高い評価を得続けている理由だと思います。そんな神戸ビーフを少しでもリーズナブルに提供するのが当店のこだわり。私自身も競りに参加して、常に高品質な神戸ビーフを仕入れられるよう努力し続けています」。
一方でそのメニューは、焼肉以外のお料理も豊富。特別な日のための焼肉店というだけではなく、地域住民の方々が気軽に利用できる町のレストランで在りたいという願いからのラインナップになっています。そしてそんなあふれる人情味こそが、ここの最大の特徴に。
「店舗運営のコンセプトは、とにかく従業員が楽しく働けること。これに限りますね。その点では、フロアマネージャーの中村が本当に頑張ってくれています。彼女が店の雰囲気を良くしてくれるから、お客さまにもそれが伝わり、誰にとっても居心地の良い店作りができているんです。おかげで、当店のお客さまの多くがリピーター。やっぱり最終的に大切なのは、人だと考えています」。
「いちばん大切なのは、人」。矢田さんのその言葉を体現するように、お店の顔として現場を支えているのが、フロアマネージャーの中村さん。学生時代のバイトから通算すれば、勤務歴はもうかれこれ15年。「毎日お客さんと喋って、スタッフと喋って、喋り倒して帰るだけですわ」と笑う彼女ですが、その姿こそが、この店の安心感の源です。
「常連さんって、覚えてもらってるだけでうれしいでしょ? 『いつもこれ召し上がってますよね』って、気軽に声をかけられる関係を大事にしてます。そのために心掛けていることは、まず私自身が楽しむこと。自分自身が機嫌良くいられないと、スタッフも、そしてお客さまも楽しくないですからね。特に飲食業界は、人手不足の真っただ中。だけどうちはありがたいことに、パートさんでも8年、10年っていうスタッフが普通にいるんです」。それが自然とチームワークに繋がり、接客にもにじみ出る。そんな彼女の言葉からは、働く人すべてへの深いリスペクトが感じられました。
一方で、SNS映えが重視される時代に「うちは“映え”だけちゃう。本物の味で勝負してる」とキッパリ。名物の〈塩ミノ〉をお客様の目の前で焼き上げるパフォーマンスは、「あわよくば自分が食べたい(笑)」と思うほどのこだわりよう。口コミで「中村さんの店、美味しかったから行ってみて」と広がっていくその輪が、この店を30年以上支え続けているのです。
「元々はホテルのレストランから始まって、ずっとフレンチや創作料理をやってました。なので実は、焼肉は初めてなんですよ」。そう話すのは、料理長の野崎さん。こちらに来てまだ1年あまりながら、料理歴は約40年という超ベテラン。フレンチ仕込みの洋食や創作料理をベースとしながらも、焼肉という新たなフィールドで腕をふるっています。「肉という素材を、もうちょっと違う角度から勉強したいなと思って入社しました。ちょうど家も近かったんで、ご縁ですね」と、穏やかな笑顔で語ってくれました。
野崎さんが意識しているのは、神戸ビーフを如何に引き立てるか。「せっかく最高のお肉があるんだから、そこに効果的に野菜を挟んでもらうだけで、全体がもっと高いレベルでまとまると思うんです。たとえば、胃もたれ予防に効果があるキャベツを最初に食べてもらえるように提案したり、タンパク質の消化促進作用があるキウイフルーツをサラダに盛り込んだり。最近では、佐賀大学が作ったバラフという野菜(一般名はアイスプラント)も使ったりしてますね。水晶みたいにキラキラしていて見た目にも美しいし、シャキシャキした食感もちょっと塩気がある口当たりも、お肉と相性が良いんですよ」。
そんな細やかな配慮も、焼肉屋の常識にとらわれないキャリアを重ねてきた野崎さんならでは。そしてそれを受け入れ、創業30年を超える今でも進化と改革を厭わないお店の姿勢も、地域で愛され続ける理由のひとつです。
「タレはまだ既存のものが中心ですけど、これから自分でも作っていけたらと思ってます」と新メニューにも意欲的。ちなみに好きな部位は〈ヒウチ〉とのことで、「あんまり焼きすぎないのがポイント。ランチでもたまに出てるんで、運が良ければ是非」と、教えてくれました。
そんな『サカエ屋サンミート』の仕入れ力と目利きの技が反映された家庭用焼肉セット『プレミアム和王希少部位セット』が、現在HESTA LIFE STOREで限定販売中。ちなみに和王とは、熊本県で約20年前に生まれたブランド和牛。神戸ビーフと同じくA4ランクの6番以上という厳格な基準をクリアした、但馬牛の血統をルーツにもつ由緒正しきお牛さまです。日本では、極稀にふるさと納税で見かけるくらいしか流通していませんが、海外の富裕層の間ではかなり注目されている品種だとか。
「部位ごとの噛み応えと味の違いをしっかり感じてもらいたくて、1cm厚の超極厚カットで提案させてもらいました 」と矢田さん。通常の厚切りカットが7mm程度だというので、1cm厚はまさに規格外。セットに含まれるのは、〈ヒウチ〉〈イチボ〉〈ランプ〉〈マルシン〉〈カメノコ〉といった希少部位(3種セットは上記5種のいずれか)。どれも同じプレミアム和王からカットされており、赤身のコクや脂の甘みの差を食べ比べる楽しみが詰まっています。超極厚カットだからこそ、食べ応えも十分。見た目の美しさや焼き上がりの存在感も抜群です。
ご家庭での焼き方のポイントは、「フライパンで、強火で表面に焼色だけつけたら、火を止めて蓋をして、予熱で火を通す感じですね」とのこと。特別な日のごちそうに。あるいは大切な人への贈り物に。今だからこそ手に入る、この限定プレミアム和王セットを、是非ご自宅で。
創業以来、常に人を大切にしながら、確かな仕入れと目利きの技で歩んできた東大阪の精肉卸企業『サカエ屋サンミート』。そしてその想いを踏襲した直営の焼肉店『炭火焼肉牧場 サカエ屋』は、神戸ビーフがリーズナブルに堪能できる優良店として、また多くの常連に愛され続ける町のレストランとして、30余年にわたり地域で親しまれています。
お近くにお住まいの方は、この機会に一度お店を訪れて、極上の味とその人情味あふれる空気感を体感してみてください。そして遠方の方は、ご自宅でそのクオリティを味わえる『プレミアム和王セット』を是非。
東大阪で、またはご自宅で、特別な焼肉時間をお楽しみください。
炭火焼肉牧場 サカエ屋
住所:大阪府東大阪市荒本2-15-28 MAP
URL:http://www.sakae-ya.co.jp/index.html
Credit
Photo_Ryo Sato
Text & Edit_Satoshi Yamamoto
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